生涯

三村氏から毛利氏の家臣となる
天文6年(1537年)、備中国賀陽郡清水村(現在の岡山県総社市井手)に生まれる(誕生月日は不詳)。幼名は才太郎といった。
備中国の一豪族の家臣の身分で備中清水城の城主を務め、のちに備中高松城の城主となる。この経緯については諸説あるが、一般的には天正の備中兵乱の際、三村氏譜代・石川氏の娘婿・重臣の立場にありながら毛利氏に加担し、高松城主の地位を得たとされる(備中兵乱は文字通り備中一円を舞台とした三村氏と毛利氏の一大戦であり、三村氏家臣の立場でありながら毛利氏についた者は他にもいた)。
また、永禄8年(1565年)に三村氏譜代の石川氏を裏切って高松城を奪取し、直接毛利氏に臣従して城主となったとの説もあるが、当時の毛利氏は備中を三村氏に任せる間接支配の体制を採っていたため、この説は信じ難い(備中方の資料にあたっても挙証に足るものはない)。
いずれにせよ、毛利氏の家臣となって以後は小早川隆景の配下として毛利氏の中国路の平定に従軍して忠誠心厚く精励したため、隆景をはじめとする毛利氏の首脳陣から深く信頼された。
高松城水攻めと切腹
天正10年(1582年)4月、天下統一を進める織田信長の家臣・羽柴秀吉が中国攻めを行うと、宗治は高松城に籠城して抗戦する(備中高松城の戦い)。
秀吉は降伏すれば備中・備後2か国を与えるという条件を出したが宗治は応じず、信長からの誓詞をそのまま主君・毛利輝元のもとに届けて忠義を示した。
そのため、黒田官兵衛が策した水攻めにあって城は落城寸前に追い込まれたが、輝元自らが吉川元春・小早川隆景とともに救援に赴いたため、戦線は膠着状態となった。この水攻めの最中の6月2日に京都で本能寺の変が起こって信長が死去し、その報を知った秀吉は信長の死を伏せて、宗治の命を条件に城兵を助命する講和を呼びかけた。
毛利方は安国寺恵瓊を黒田官兵衛のもとへ遣わし、備中・備後・美作・伯耆・出雲を渡す代わりに宗治の命を助けるようにと和議を申し込んだが、秀吉側は5か国の割譲と宗治の自刃を要求したため交渉が成立しなかった。しかし、これを聞いた宗治は、家臣の助命と主家へ義理を立てるため、自身と兄の清水宗知(月清入道)、弟の難波宗忠(伝兵衛)、援将の末近信賀ら4名の命と引き換える旨の嘆願書を書き、恵瓊に託した。
結局、宗治は信長の死を知らぬまま、その2日後の6月4日に兄の宗知、弟の宗忠、援将の末近信賀らとともに水上の舟において切腹した。享年46歳。辞世は「浮世をば 今こそ渡れ
死後
主題とする作品
- 備中高松城水攻史蹟案内記 高田馬治 文部省史蹟保存指定
- 郷土史料 高松城の水攻 岡山県高松農学校/編,高田 馬治
- 加藤清正 下巻 片山丈士 著 河出書房新社, 1965
- 日本むかしむかし 中国編 和歌森太郎 監修 人物往来社, 昭和42
- 武士の宴(小説、短編集『西国城主』に収録。野中信二著)
登場作品
- テレビドラマ
- 『太閤記』(1965年、NHK大河ドラマ、演:田崎潤)
- 『国盗り物語』(1973年、NHK大河ドラマ、演:伊達正三郎)
- 『新書太閤記』(1973年、NETテレビ、演:大友柳太朗)
- 『黄金の日日』(1978年、NHK大河ドラマ、演:宝生閑)
- 『太閤記』(1987年、TBS大型時代劇スペシャル、演:竹脇無我)
- 『天下を獲った男 豊臣秀吉』(1993年、TBS大型時代劇スペシャル、演:橋爪淳)
- 『豊臣秀吉 天下を獲る!』(1995年、テレビ東京 12時間超ワイドドラマ、演:及川以造)
- 『秀吉』(1996年、NHK大河ドラマ、演:真田五郎)
- 『功名が辻』(2006年、NHK大河ドラマ、演:木下浩之)
- 『戦国疾風伝 二人の軍師 秀吉に天下を獲らせた男たち』(2011年、テレビ東京 新春ワイド時代劇、演:中村雅俊)
- 『軍師官兵衛』(2014年、NHK大河ドラマ、演:宇梶剛士)
- 『豊臣兄弟!』(2026年、NHK大河ドラマ、演:樋口大悟)
- 映画
- 漫画
- 宮下英樹『センゴク一統記』(講談社『週刊ヤングマガジン』連載、2012年-2015年)
- 重野なおき『軍師 黒田官兵衛伝』(白泉社『ヤングアニマルDensi』『マンガPark』連載、2013年-)
- 高枝景水『暁天のクラウン 〜羽柴秀吉の最もハードな十四日間〜』(実業之日本社『COMICリュエル&COMICジャルダン』連載、2025年-)
- ゲーム
- 『信長の野望シリーズ』(コーエーテクモゲームス、1988年-) 1988年発売のシリーズ第3作『信長の野望・戦国群雄伝』から登場。
- 『新信長の野望』(BBGame・コーエーテクモゲームス、2022年、声:小柳良寛)
