
子供服としての位置付け
中世以前のヨーロッパには、服装による身分の区別はあったが、大人と子供の服装の特別な違いはなかった。(大人と子供の区別自体が明確ではなかった。)。
大人と子供の服装による区別が始まったのは、身分制度の解体が始まった17世紀だった。当時の大人達は子供に大人とは異なる「可愛らしい」「元気なもの」という価値観をあてはめた。1925年にハンガリーで発表された児童文学『ほんとうの空色』の終章では主人公の少年が半ズボンを卒業し、夢多き少年時代と別れを告げる場面がある。フィリップ・アリエスは、「<子供>の誕生-アンシャン・レジーム期の子供と家族生活」の中で「私たちはと言えば、今や遅くまで子供扱いされる恥ずかしさの象徴としての半ズボンを、実に長い間穿いていた。」とある。
永井荷風の「洋服論」には「ズボンは中学校に入り十五、六歳にいたるまで必(かならず)半ズボンなりき。(中略)長ズボンは小児の穿(うが)つべきものならずとて、予はいつも半ズボンなりしかば」とある。
イギリスの上流階級や貴族の習慣として、8歳ぐらいまでの男児には長ズボンを穿かせず、半ズボンを穿かせる風習がある。
普及から衰退までの経緯
ドイツの伝統的な男児服
ドイツにはレーダーホーゼン(en:Lederhosen)と呼ばれる民族服がある。これは皮製の膝丈ぐらいの半ズボンである。子供用のものは特に裾が短くなっている。昔のドイツでは男の子は16歳ぐらいまでこのようなレーダーホーゼンを着用していた。吊り紐や前面部の覆いが特徴的であるが、子供用のレーダーホーゼンには刺繍による装飾は無いのが普通である。今日でも、ドイツやフランスのボーイスカウトでは、正式な制服ではないものの、様々な形態のレーダーホーゼンが使用されている。レーダーホーゼンは1930年代から1970年代にかけてオーストリアの男児服としても着用された。現在ではビアガーデンやZeltfestなどイベントや特別な日に使用される。
